新しいアプリ「うちの血圧記録」を作っています。血圧計のディスプレイを撮影すると、収縮期(上)・拡張期(下)・脈拍を自動で読み取って記録できるiOSアプリです。

作ろうと思った理由

血圧を毎日測っている人にとって、いちばん面倒なのは測ることそのものではありません。測ったあとに数字を書き写す作業です。

紙の手帳に書くにせよ、アプリに打ち込むにせよ、3つの数字を目で読んで入力する。1回なら10秒ですが、朝晩2回を毎日続けるとなると、この10秒が続かない理由になります。実際、「測ってはいるけど記録は残していない」という話をよく聞きます。

血圧計の画面には数字が表示されているのだから、撮るだけで済むはずだと考えました。

こだわっているところ

自動化しても、最後は人が確認する

文字認識は万能ではありません。セグメント液晶は読み取りにくく、機種によってラベルの表記も違います。

そこで、読み取り結果は必ず確認画面を経由する作りにしました。認識した生のテキストと確度もあわせて表示するので、おかしければその場で直せます。血圧という数字の性質上、間違った値が黙って保存される方が、手入力より害があります。

読み取りの精度自体も詰めています。「SYS/DIA/PULSE」「最高/最低/脈拍」といったラベルを優先し、ラベルが読めない機種では数値の表示位置と文字サイズから推定。誤読しやすい文字(O→0、l→1、S→5)を補正し、1回で読めなければコントラストを強調した画像で自動的に再試行します。日付や時刻を測定値と取り違えないよう除外する処理も入れました。

あとから撮った写真でも、正しい日時で残る

これは実際に使ってみて必要だと気づいた機能です。

測ったその場でアプリを開けるとは限りません。とりあえず写真だけ撮っておいて、あとでまとめて登録したい。そこで、写真の撮影日時(Exif)を測定日時として採用するようにしました。夜にまとめて登録しても、朝測った記録は朝の時刻で残ります。

さらに、写真を最大20枚まで選んで一括で読み取り・保存できるようにしました。撮りためた写真を一気に片付けられます。

続けるための仕組み

リマインダーは1日に何回でも設定でき、曜日ごとに変えられます。平日は朝だけ、土日は朝昼晩、といった設定も可能です。細かいようですが、生活のリズムに合わない通知は結局オフにされてしまうので、ここは作り込みました。

ヘルスケアとの連携にも対応しています。記録を保存すると血圧と心拍数が自動で書き出され、編集・削除にも追従します。

傾向が読めること

記録が貯まったら、見えてくるものがあります。

期間別のグラフに加えて、朝・昼・晩ごとの平均と朝晩差を出しています。朝の血圧が急に上がる「モーニングサージ」の目安になる数字です。判定は日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019」の分類に基づき、家庭血圧と診察室血圧を設定で切り替えられます。

データの扱いについて

写真の解析はすべて端末内で完結します(Appleの Vision フレームワークを使用)。画像がどこかに送信されることはありません。記録も端末内とヘルスケアにのみ保存され、血圧のデータが開発者のサーバーに届くことはありません。CSVで書き出して手元に残すこともできます。

無料で提供するため、画面下部にバナー広告を表示します。ただし健康情報を扱うアプリなので、トラッキングは行わず、非パーソナライズ広告のみを配信する設定にしています。ヘルスケアから取得したデータを広告に利用することもありません。App内課金はありません。

なお、このアプリは医療機器ではありません。記録と傾向の把握を助けるものであり、診断・治療の判断は医師にご相談ください。

これから

開発の進捗はこのブログとアプリページでお知らせします。

アプリの詳細は「うちの血圧記録」アプリページにまとめています。