宅建試験のつらさの多くは、似た数字の混同にあります。3ヶ月なのか3年なのか、5日なのか30日なのか。理屈で導けない数字は、覚え方を工夫するしかありません。
この記事では、受験者が特に取り違えやすい数字を一覧表にまとめ、あわせて筆者が作ったオリジナルの語呂合わせを紹介します。語呂は市販教材の転載ではなく、本記事のために作ったものです。自分にとって覚えやすいものだけ持ち帰ってください。
まず:語呂合わせを使うべき論点、使わないほうがよい論点
先に大事な区別からです。語呂合わせが効くのは、理屈で導けない「決めごとの数字」だけです。
- 語呂が効く … クーリング・オフの8日、媒介契約の3ヶ月、営業保証金の額など「そう決まっているから」としか言えない数字
- 語呂に頼らないほうがよい … 抵当権や借地借家の仕組みなど、理屈を理解すれば導ける論点。ここを語呂で丸暗記すると、少しひねられただけで崩れます
権利関係は理解で、宅建業法の数字は暗記で。この配分を間違えないことが前提です。
宅建業法の数字と語呂合わせ一覧
| 論点 | 数字 | 語呂合わせ |
|---|---|---|
| クーリング・オフ | 告知から8日以内・書面で | クーリングオフはハチ(8)っと書面で冷やす |
| 専任媒介の有効期間 | 3ヶ月以内(更新も3ヶ月) | 専任はみつき(3月)づきあい、延長しても3ヶ月 |
| 業務処理状況の報告 | 専任媒介2週間に1回以上/専属専任1週間に1回以上 | 専任はニ(2)コニコ隔週、専属はイチ(1)ズに毎週 |
| 案内所等の届出 | 業務開始の5日前まで | 案内所はゴー(5)サイン前に届出 |
| 営業保証金 | 本店1,000万円・支店500万円 | 本店は千両箱、支店は半分五百両 |
| 弁済業務保証金分担金 | 本店60万円・支店30万円 | 保証協会ならロクサン(60・30)で身軽 |
| 手付金等の保全(未完成物件) | 代金の5%または1,000万円超で保全 | 未完成はゴ(5)メン、先に保全 |
| 手付金等の保全(完成物件) | 代金の10%または1,000万円超で保全 | 完成したらテン(10)から保全 |
| 免許の有効期間 | 5年(更新は満了の90日前〜30日前に申請) | 免許はゴ(5)年、更新はクレサン(90→30) |
| 廃業等の届出 | 30日以内 | やめたらサッ(30)と届け出る |
「クレサン」は我ながら強引ですが、90日前から30日前という幅を1語で思い出せるので、筆者はこれで覚えました。語呂は上品さより試験会場で出てくるかがすべてです。
語呂合わせを定着させる3つのコツ
1. 語呂を「読む」のではなく、数字を「出す」練習をする。 語呂を眺めて覚えた気になるのがいちばん危険です。「専属専任の報告は?」と問われて「1週間に1回」が出るか、必ず問題演習で確認してください。
2. 似た数字はセットで覚える。 「2週間と1週間」「90日と30日」のように、混同する相手とペアで1つの語呂にまとめると、取り違えそのものが起きなくなります。上の表の語呂がペア型になっているのはそのためです。
3. 間違えた数字だけ、間隔を空けて何度も。 一度取り違えた数字は、時間を置いてまた間違えます。忘れた頃に再確認する仕組みを作ってください。
よくある質問
Q. 語呂合わせだけで宅建業法は乗り切れますか? 乗り切れません。語呂で持てるのは数字だけで、「誰が・どの場面で・何をするか」という要件は問題演習で身につける必要があります。語呂は演習の取りこぼしを拾う保険と考えてください。
Q. 自分で語呂を作るのと、人の語呂を使うのはどちらがいいですか? 自作のほうが定着します。作る過程そのものが記憶になるからです。この記事の語呂も、しっくりこなければ自分の言葉に作り替えてみてください。
数字の取りこぼしを演習で拾う
筆者が開発しているうちの宅建ノートは、四択500問と一問一答に加えて、間違えた問題を間隔反復で再出題する仕組みを備えています。語呂で覚えた数字が本当に出てくるかの確認に使えます。語呂合わせ機能のアプリへの搭載も検討中です。
なお、記事中の数字は執筆時点の法令に基づいています。法改正がある分野のため、最新の教材・公式情報で必ずご確認ください。